最後にいきてくるのはヤッパリこれまでの実績による知識と経験
体力的な面から転職を考え始めました。
前職と前々職では全くの異業種間での転職だったので、今度も異業種、なおかつ小さい時からやってみたいと思っていた業種を目指すことにしました。
しかし、なかなか上手くはいきません。
自分の目指す業界のことを調べ、説明会などにも参加しましたが、最終面接まではいきません。
それでも、仕事を見つけなければ生活していけない。
と思い、前職と同業も応募していました。
するとそちらは、するすると最終面接へ。
自分も勝手知ったる業界なので、面接も難なくパス。
採用をいただきました。
<学童保育指導員から一度目の転職>
私は、高校を卒業してから27歳までまる8年学童保育指導員を勤めてきました。
学童保育指導員は放課後の小学生の生活を保障し、保護者の就労を支援する大事な仕事であり、誇りを持って働いていました。
しかし、給与を含め決して職務内容に適した待遇とはなっていませんでした。
そこで、私は、行政の担い手となり根本から学童保育施策の改善・充実を進めていこうと、一度目の転職を決意しました。
行政の担い手といってもただの事務職ではなく、特殊な立場だったので、分からないことだらけで右往左往しました。
しかし、現場の声を行政に直接届けるというのは私にしかできないことであり、やりがいを感じていました。
また、国が学童保育の基準を下げていく中で、自分の住む街では歯止めになっていたと思います。
<体力的な面から二度目の転職へ>
行政の仕事は毎日忙しく、免許を持っていない私にとって移動は大変ハードなものでした。
学童保育のことも一定の目処が見えたのと体力的な面から、転職することを欠視しました、ぎりぎり30代前半なので、転職をするなら今がラストチャンスと思い、これまでとは全く違う業界、それも子どもの時やりたいと思っていた業種にチャレンジすることを決めました。
それは、バス・鉄道といった公共交通機関です。
しかし、ここには大きなハードルがありました。
<自動車運転免許を持てない大変さ>
私は、生まれつき目が悪く、現在は身体障害者手帳(視覚障害)5級を持っています。
視覚障害者は、基本的に自動車運転免許を取得することができません。
(視野欠損のみの障害であれば免許取得の可能性はある)
転職活動を始めて、求人誌や求人サイトを見ましたが、大体の求人で「要普通免許(AT限定も可)」という文字が並んでいます。
この文字は、私にとってとても大きな壁でした。
“取れる条件は揃ってるけど持っていない”のではなく、“取りたくても取れない”んです。
おのずと応募できる求人は少なくなりますし、業種も絞られます。
私がやりたいと考えた公共交通機関は特に自動車免許の条件がついていました。
しかし、その条件は置いておいて、自分が視覚障害者である旨を履歴書に記載し、応募をしました。
当然運転手がダメなことは自分でも理解しているので、運行を支える路線バスの運行管理者や鉄道の駅業務に募集しました。
鉄道会社4社、バス会社7社に応募しましたが、面接まで行けたのは、鉄道会社1社、バス会社1社だけでした。
あるバス会社からは、電話で「運転免許を持っていないということなので、今回は申し訳ありませんが・・・」と言われました。
運行管理者は基本内勤です。
運転する機会はほとんどないはず。
それでも運転免許が「必要」となる。
難しいなと思いました。
結果として、子どもの頃からの夢は叶いませんでした。
<学童保育指導員へのほこり>
私は、学童保育指導員の仕事が嫌いで転職したわけではありませんし、今回の転職でも積極的に戻らないという選択肢をとったわけではありません。
指導員は、親の変わりであり、友達であり、第三者の大人であり、子どもにとって重要な役割でその役割に誇りを持っていました。
ただ、給与面で何があるので少々敬遠したのですが、一応保険にと思って、学童保育指導員の募集についても3社応募しました。
するとそのうちの1社から面接設定の連絡ありました。
その企業のことを調べ学童保育事業に関しての考えを調べました。
面接当日。
転職の動機等を話しながら、学童保育指導員の経験についても聞かれました。
8年間勤めてきた経験や知識は、現場を数年離れていても十分な武器となりました。
そのまま、あれよあれよと、実地研修、社長面接とすすみ、最初の面接から3週間足らずで採用をいただくことができました。
<最後は、好きなこと頑張ってきたことが自分の武器になる>
学童保育指導員の給与は決してよくありません。
しかし、今回採用してくれた会社は、私の過去の実績を買ってくれ、主任級での採用と、指導員としては破格の給与水準を提示してくれました。
これも、今まで頑張ってきたことがあったからこそです。
しかし、社長面接が万事良かったのかというとそうでもありませんでした。
今回お世話になることになった学童保育の運営母体は「株式会社」です。
保育・福祉の現場に利益を見出さなければいけない株式会社はそぐわないと、私は予々思っていました。
社長面接では、そのことについて正直に自分の思いを伝えました。
入社したいと言っている企業を否定するようなことを行っているのですから、内心“まずいことを言っている”と思いました。
しかし、自分の言葉で自分の思いを伝えてからか、社長も私の趣旨を理解し、そのあとも話が弾む結果となりました。
自分が、学童保育に誇りを持ち、打ち込んできたからこそできたのかなと思います。
同じように、異業種にチャレンジしてみたいと思っている人がいたら、一度立ち止まって欲しいと思います。
本当に今の業種を離れていいのか。
自分の好きなことは何か、自分が生かせる場はどこなのか考えて、次の一歩を踏み出して欲しいと思います。